凶器はダガーナイフだったそうだ。槍の穂先のような形の鋭いナイフだ。
最初の報道でやたらと「サバイバルナイフ」と言っていたのがどうも気にかかっていた。私の知っている限りサバイバルナイフはそんなに切れ味の鋭いものではないからだ。サバイバルナイフというのは映画ランボーで主人公が持っていて人気が出たもので、片刃で峰側に反りのような形とノコギリ上になっている部分がある。もちろん本物は刃の硬度も高いし刃渡りも長いのだろうけれど、日本で手に入れられるのはレプリカのようなもののはずだ。それで人の身体を簡単に刺すことができるか、と思うと人を刺したことが無いから何とも言えないが、そこには狂気があったのかと思っていた。しかし実際はそうではなく、鋭いナイフを持った冷静な判断力と「誰でも良いから」「殺したい」という人間の意志が存在していただけだった。ナイフを手にして「これでどうやったら人を殺せるだろうか」と考えたのは私や他の人と同じ人間だ。ナイフを規制しても何の意味も無い。刺身包丁や出刃包丁だって人は殺せるし、ホームセンターで手に入る鎌や斧、切り出しだって人は殺せる。カッターナイフや彫刻刀だってそうだ。刃物が無くなったら金属バットを使うだろう。殺すという人間の意志自体が狂気なのだから。
模倣犯が出ないか心配だが、今回の犯人を死刑にしたからと言って何の抑止力にもならないのだろう。次の事件が起きても、やりきれない気持ちを抱えたままため息をつくしかないようだ。






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